マルセイユ・タロットの復元
20世紀に使われていたマルセイユ・タロットの色彩は、1880年に印刷されたカモワン版のカードに塗られたもので、この色は、「タロットの伝統」の歴史を揺るがす大きな過ちでした。1880年、産業革命による機械の登場により、カモワン家は4色印刷機械を使用し始め、伝統的な製造方法をやめてしまいました。
それ以前は、カードはステンシルの技法を用いて彩色されており、5、6色、あるいは7色を簡単に塗ることが出来ました。更に時代を遡れば、カードは手で彩色されており、更に多くの色で彩られていました。
しかし1880年、新時代の製造法により、色彩は4色に制限されざるを得ませんでした。その結果、カモワン家は新しいタロット・カードを製造することになりましたが、このカードで使われる色は、数世紀にわたって使用されてきた色とは、全く違う色になってしまいました。
そして、この新しいタロット以降、すべてのマルセイユ・タロットはこの色彩を採用しました。
1880年のカモワン版の色彩が、世界中で使用されたのです。では、なぜ1880年から1998年までの間に、マルセイユ・タロットはすべての意味を失ってしまう必要があったのでしょうか?なぜ、「伝統」は1世紀以上の間、何も知らない人々の目から隠されなければならなかったのでしょうか?またどうして、20世紀には、タロットは占い師たちに華やかな過去の思い出を呼び起こすだけで、世俗の中にその伝説が失われてしまったのでしょうか?
私の先祖が1880年製造のカードにつけた色は、秘儀の伝統とは全く関係のないものです。この色は心理学的な意味を持つだけで、しかもこの心理学的意味は、現在人類が経験している急速な進化に伴って、どんどん失われています。そこで私は、「タロットの本当の源」を再発見するためには、私がアレハンドロ・ホドロフスキーとともに復元したカードの色を研究されることを、強くお勧めいたします。
フィリップ・カモワン
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