古いタイプのタロットで現存しているものはほとんどありません。しかし、1672年以前のマルセイユには数十種類の古いタイプのタロット・カードがあったはずなのです。古書によると、1337年、マルセイユのサン・ヴィクトル寺院の彫像に、プレイング・カードのことが記されています。マルセイユのカード・メーカーは、1631年に法律によって認可される以前から存在していました。非常に古いマルセイユ・タロットは、他のプレイング・カードと同様、失われてしまいましたが、それは残念なことに、当時は古くなったカードを名刺として再利用する習慣があったためです。
マルセイユで1672年以前に製造されたマルセイユ・タロットが見つからないからといって、1471年製造のタロットが見つかっているイタリアがタロットの発祥地だということでは決してありません。この二つの流れは全く関係がなく、イタリアのタロットは極端に単純化されたメッセージしか伝えていません。一方、マルセイユのタロットは、ほとんどすべての西洋神秘学、そして時には東洋神秘学まで取り込んでいます。だからといって、現存するタロットよりもっと複雑なタロットがイタリアには存在しなかった、ということではありません。
唯一つはっきり言えることは、この二つの流派は内容が全く異なるものである、ということです。したがって、この二つの流派が影響を受けた、もっと古い「伝統的な流派」があったに違いないのです。私の考えでは、この古い流派は南仏、とりわけ東洋への出入り口であるマルセイユ地方に今でも残っているのです。マルセイユは2600年前に築かれましたが、その有利な地理的位置により、地中海文化のあらゆる財産を受け取ってきたのです。
フィリップ・カモワンVisiteurs connectés : 27